過去問の使い方

一、過去問に取り組む意義とは

 過去問に取り組む意義は、まず、自分が入試本番までにどの科目をどの程度頑張らなければならないかを知るためです。これは、多くの塾で聞かされることでしょう。ただ、それだけではありません

 (1)出題傾向を知る。

 これも塾で言われたかもしれませんが、私がお伝えしたいことは少し違います。出題傾向というのは、どのような問題が出題されるかということだけではなく、出題者の癖を分析することでもあります。たとえば、間違っている選択肢を選ばせる問題を出題することがあるのか、あるとすれば、その問題では「間違っているものを」の部分をどのように扱うのか。傍線を引くのか、傍点をつけるのか、太字にするのか。こういった、出題の癖は、作成者が変わらない限り続きます。こういったことにも注意して、解いた過去問を見返してみましょう。いろいろな発見があるはずです。

 (2)本番の練習をする

 過去問に取り組むのは、本番で初めての失敗をしないためでもあります。時間配分は代表的なものですが、抜き出し問題で字を写し間違える、記述の文末を間違える、答えようと思った選択肢と違う選択肢を解答用紙に書いてしまう、解答欄を取り違える・・・本番で起こりうるミスを事前に知って、そうならないように気をつけることは、実力通りに合格するためにも必要なことです。過去問は本番の練習だという意識を持って、自分が間違えたところをよく見直してみましょう。原因を分析して、次につなげられるようにしてください。


二、過去問をやる時の注意事項

 過去問を合格に最大限つなげるために、過去問をどのように使っていけばよいのか、一番効率的なやり方をお伝えします。

 (1)ペース

 過去問は一月に一年分程度の進度で進めましょう。理想的なのは、月の初めに解いて、そこで見つけた課題を分析して、次の月までの学習の指針にすることです。間違っても、一気に解いてはいけません。一年分やって点数が取れないと、すぐに他の年度のものをやって挽回したくなります。それはやってはダメです。

 (2)順番

 理想は、古い年度から新しい年度へ進めていくことです。ここから受験本番までで実力は大きく変わります。最新年度のものが一番次の出題傾向に近いと考えて、できるだけ温存するようにしてください。とは言っても、多くの塾(特に名進研)では、最新年度から三年分を授業内で扱うことも多いようです。この場合は仕方ありません。

 (3)採点

 保護者の方がしてください。採点は子供に任せるとかなり適当になってしまいます。記述問題については、過去問を買い求める際に、採点基準がしっかりと書かれているかに注意してください。ただ、英俊社、教英出版共に記述の採点基準は細かくありません。日能研に通われているなら、日能研の解答のほうが詳しく書かれているので、採点ではそちらを使ってください。

 (4)出版社

 英俊社と教英出版には、それぞれメリットとデメリットがあります。そのことをよく理解して買い求めてください。

 まず、英俊社は解答の精度が比較的高いです。教英出版は時々ありえない答を正解にしていることがあります。学校解答が出ない東海の受験を考えておられるなら、英俊社の方が良いでしょう。

 教英出版の良いところは、問題が本番と同じ(完全にではないですが)形式であるということです。文字の大きさ、レイアウトなど、本番に慣れるという意味ではこちらのほうが良いでしょう。ただ、両面コピーになっているので、コンビニなどでのコピーが必須です。

南山中学女子部・東海中学・滝中学の合格を目指す!

中学受験で合格するために、何が必要なのか。 塾選び、家庭教師、宿題のこなし方、受験直前期の過ごし方など、さまざまな情報を発信するサイトです。