皆さんはお子さんの解答をご覧に なったことがありますよね。字は読めますか?言葉のつながりはおかしくないですか?
(1)塾の採点について
親が読めない字は、採点されません。塾の模試は、採点することも仕事のうちですから、できるだけ内容を読み取ろうとしてくれます。
ここで塾の採点について説明しておくと、日能研・名進研共に、機械式の採点を謳っています。これは、受験生の答案をスキャンして採点会場に送り、そこで一斉に採点をするというものです。日能研の場合には、横浜に送られて、そこで採点が行われています。この際に採点をするのはアルバイトと社員です。アルバイトは記号や抜き出しなどを採点し、社員が記述を採点すると考えて間違いありません。
採点については保護者からクレーム(その意識はないかもしれませんが、塾の側ではクレームと受け取っています)が寄せられます。殆どが国語について、特に漢字についてです。ですから、採点側もかなり明確な基準を設けて採点しています。ハネの角度や点の位置まで許容範囲を決めています。
クレームと言いましたが、言いたいことは、だから塾は読みにくい答案でも採点してくれるのだ、ということです。一見して読みづらい、けれど、内容としては合っているかもしれない。だから時間をかけてその答案を読んでくれます。少しでも合っている所があれば、点数をくれます。
何を言いたいか、もうおわかりですね。入試では採点されない可能性が高い答案も、模試では点数がつく、ということです。ところで、入試の採点にかけられる時間について考えてみたことはありますか?
(2)学校の採点について
入試が正午に終わったとして、それから採点が開始されます。
土曜日の東海の入試なら、火曜日の午前中に合否の通知が届きますね。火曜日の朝に、最寄りの郵便局に届いているということは、遅くとも月曜の夕方には郵便局に持ち込んでいることになります。月曜日の午後からは、書類一式の詰め込み作業に充てられると考えて良いでしょう。そうすると、月曜日の午前中は、合格者と不合格者を決める時間に充てられます。合格ラインを決めることは意外に難しく、追加合格をできるだけ出さなくて良いように、でも、定員を大きく超過しないようにする必要があります。また、当落線上にいる受験生から合格者を決める作業も必要です。つまり、採点に使える時間は土曜日の午後と日曜日のみということになります。しかも、受験生は800人ほどいますから、そのすべての答案を見なければなりません。そんなときに、読みづらい字で書かれた答案を、果たしてしっかりと読み取ろうとしてくれるでしょうか。
さらに、私立中学は中高一貫です。合格した受験生とは6年間も付き合うことになります。定期試験のたびに汚い字、読めない字で書かれた答案を読まなければならないとしたら、多少優秀でもお断りしたくなりませんか。記述の採点担当は国語の先生です。いくら採点基準を決めても、国語の素人に採点を任せることはできません。その先生は、今後6年間、その汚い字と定期試験のたびに付き合わなければならないのです。
読みづらい字、汚い字で書かれた答案は、採点されない可能性が高い、そう考えておいたほうが良いでしょう。
(3)採点されるかどうかの目安
採点されるかどうかの基準は、大人が読める字であるかどうか、この一点に尽きます。多少汚い程度では、特に男子校では何も影響はありません。注意してほしいのは、漢字よりもひらがなです。「は・け」「け・り」「り・い」「お・め」「め・ね」などは、判別しづらい字になっていることがあります。お子さんの字がどうなっているか、是非、見てみてください。
また、漢字については、小学校で習う字は漢字で書くようにしましょう。漢字が誤っている場合には減点される可能性が高いです。1点程度だと思いますが、その1点で合否が決まることもあります。普段からの漢字の学習は、こういった所で馬脚をあらわしやすいです。
主語・述語のつながりや、てにをは、については、注意が必要です。部分点はもらうことができますが、こちらも、国語を専門としている先生には印象が悪いです。特にてにをはは文章の論理構造を決める重要な助詞です。
なお、東海中学の記述問題は解答用紙のマス目が小さめです。普段の模試より小さなマス目にも慣れれおいたほうが良いです。
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